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2008年5月11日 (日)

新しい畑

 身の自由を失い、人の世話になるということは、磔刑かと布団の中で思った。であれば私はそれを見上げる弟子か衆人か。

 山登りのために早い時間に起きると、雪に覆われた冬以外、土が見えている時期には暗い内から起きて仕事をしていた母のことを思う。稲作りも早朝からしなければならないいろんな仕事があったのだろうが、好きでやったのは畑仕事。年中腰が痛いと言っていたが、それを畑仕事の支障にはしなかった。夕方もおかずの魚を焼いてテーブルの上に置くと薄暗くなっている中を畑に行く。手元が見えるのか、と食卓にいない母を父はよく笑っていた。洗濯だけはまめにやっていたが、その他の家事は全くだめで、その分、畑仕事は熱心だった。その畑仕事もできなくなって、ただ寝て起きてご飯を食べて排便するだけ。週に三度、車椅子で施設に運ばれ風呂に入れてもらって帰ってきて、また食事をして眠るだけ。全て人の世話になって生きるということの苦痛を思う。自分なら果たして受け容れられるかとも。

 家の近くの畑には草が生え集落の外れにあった畑は人に貸したらしい。今父が母に代わって僅かに作るのは育苗のためのビニールハウスを取り払った場所。

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コメント

 お久振りです。相変わらずユウフクしておられるご様子、全く屈託、ですか。

投稿: | 2008年5月29日 (木) 12時37分

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