« 知らなかったこと | トップページ | 突飛 »

2009年1月28日 (水)

完璧を求めないこと

 寝たきりとなった母の介護を献身的にする父には感心も感謝もしているが、そんな父にも過ぎていく時間は老いとなって少しずつ負担を重くする。今年七十七歳、喜寿か。ずっと力仕事をしてきた体は消耗が早いのかもしれない。腰も脚も曲がった。目も悪くなったのか、洗ったつもりの食器に汚れが残っていることも多い。年を取るに連れ面倒くさがりやになるという。そのせいか、戸の開け閉めを省く。暖房を点けた台所に入ってきて出入りする際、戸を閉めない。風呂で使ったタオルを浴槽の蓋の上に置いたり椅子の上に置いたりしたまま。トイレ用のスリッパに履き替えないで廊下のスリッパのまま入って、戸も閉めない。母の介護に比べたら、例えば糞便の処理に比べたらわずかなことなのにと思うが、そのわずかなことが面倒くさくてできなくなるのかもしれない。でも、それはそれで仕方ないこと。母の世話をしてくれればそれで十分有難い。些細なことを言うつもりはない。言葉にして言うと変に気を使うようになってしまう。親子でも同じだろう。昔、ずっと昔、上板橋のアパートにSさんが訪ねてきて久しぶりに飲んだ時、僕は彼の話し方が気になって、とうとう「なにか女子大生の流行の口調みたいになってますよ」というようなことを言った。そのことで彼が随分苦しんだことは後で知ったのだが、些細なことなら言わない方が良い、とそれから思っている。また、人に完璧を求めないことも同様。つまらない指摘、注意でその人の良さが歪んでしまう。

|

« 知らなかったこと | トップページ | 突飛 »

備忘録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 完璧を求めないこと:

« 知らなかったこと | トップページ | 突飛 »