カメムシの話②
カメムシは冬が近付く頃、越冬のため民家に入り込む。その数でその年の雪の多い少ないを占う話は前述した通りである。冬ごもりなのだから家の隙間でおとなしくして過ごし、春になったら外に出ていってくれれば何の問題もないのだが、部屋が意想外に暖かいのだろう、大変喜んだ様子でブーンブーンと飛び回る。まあ、これは容認できる。しかし、この虫が出す臭いはだめだ。臭気には我慢強いと自負する私でも我慢できない。最初のうちはカメムシを見つけ次第、紙きれに誘導して外に出していたのだが、出し切れる数ではなく、そのうち幾度かは潰してしまう羽目になる。床に這うのを足で踏んでも、敷居の上にいるのを戸を閉めた際潰しても、一日二日は部屋中臭い。誤って手で潰せば手に付いた臭いはいくら石鹸で洗ってもとれない。また、背広にくっついているのを知らずに着てしまえば、下着まで取り替えないといけない。こういうことを出勤の忙しい時に何度もして、私は信念を曲げたのである。風呂に入ろうとして裸になると胸にカメムシがくっついているのにびっくり。でもそれは自分の乳首だと分かってまたびっくりということもあった。
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