« カメムシの話④ | トップページ | 犬の話① »

2009年3月 4日 (水)

カメムシの話⑤

 「死の時に仰向かんことを」という一節のある、中原中也の詩を思い出した。彼の詩では一番好き。
 今本を探して開いてみると詩集「羊の歌」の冒頭「祈り」の第一節、正確には「死の時には私が仰向かんことを!」そして「この小さな顎が、小さい上にも小さくならんことを!」をと続く。
 それから後の四行は「それよ、私は私が感じ得なかったことのために」「罰されて、死は来たるものと思うゆえ」「ああ、その時私の仰向かんことを!」「せめてその時、私も、すべてを感じる者であらんことを!」
 わずか六行の詩。カメムシもわずかな時間と世界を生き、感じ得なかったことのためにで死んでいく。

 

|

« カメムシの話④ | トップページ | 犬の話① »

犬に如かず、虫に如かず」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カメムシの話⑤:

« カメムシの話④ | トップページ | 犬の話① »