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2010年2月27日 (土)

無為徒食

 台所の裏で不燃物ゴミの整理をしているとTの猫が納屋の方からゆっくり歩いてきた。餌でもくれるのかと思ったらしい。私の家では朝大概魚がおかずで、その残り物をTの猫が食べている。裏口を開ける音で駆け寄ってくる時もあるし軒下の古い洗濯機の上で待機していることもある。ゴミを分別しながら猫の様子を見ていたが、餌をくれるのかどうか半信半疑なのか、あるいはたいして腹ペコでもないのか朝よりのんびり近寄ってくる。私が近年犬や猫に一目置くようになった件はお話し済みだが、やっぱり分からないのは一日無為徒食に過ごして悔いの無い様で、この猫もなにをするでもなく納屋でごろごろしていたに違いない。人間より遥かに短い一生なのにいいのか、あっという間に過ぎてしまうよ、と思わずにいられないのだが、まてよ、と閃いた。こいつらは何の仕事も無く目標も持たず、したがって義務感や焦りもないから時間に追われず、こうものんびり過ごしているのではないか。そうすると一日が随分とゆったり過ぎ、とても長いのではないか。10年20年の寿命ではあっても齷齪一生を終える人間の70、80よりずっと長いのではないかと。どうもすべての犬猫には達観している風があるが、彼らから見る人間なんかは仕事に追われしがらみに絡まれ時間に追いまわされ汲々と一生を終える哀れな生き物なのかも。ただ、そういう生き物に食べ物を貰う仕組み上あんまりなめた口も利けないので媚びるところは媚びると。なるほどね、そういう了見か。そういう了見で見れば人間なんかはどんどん束縛するものを増やすだけの愚劣な生き物。寿命や保障、便利さ快適さの代償として。

 

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