月餅
私がどういう立場なのか覚えていないが、大人数で、しかも班分けした集団で屋内プールに行く。最後尾が新聞配達の集団で、彼らだけ特別なユニフォームなのか仕事着なのか統一した服を上下着ている。泳ぐ気が端からないようなのは、自分の仕事にコンプレックスを持っているからか。ああ、この中には配達をしながら学校に通う苦学生もいるのだな、などと思う。その集団の前に二人が立ちはだかり、とうせんぼをする。しかし、それはふざけただけだと分かると集団は一気にばらけて走りだす。外から入れないようにしたバリケードを壊して窓から入る者もいる。自分の行くべきプールはどこなのか。覗いてみるが知った顔はない。建物の外もプールになっていて、子供も数人泳いでいるので、ここでいいかという気になる。ただ、さっきから手に持っているお菓子が気になり、早く食べてしまいたいと思っている。包装紙を切って取り出そうとした時、折れて半分落ちる。半分というよりほとんどで、指先に残ったのは五分の一程度。月餅を軟らかくしたようなお菓子で、ここは躊躇しないで拾って食べるべきだと思い、横に立つ子供の視線を気にしながらもそうする。月餅の方がいいのにと思う。こんな風に折れないし、これよりうまい。なぜ月餅でないんだろうと思う。
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