カメムシの因果
四月も下旬、桜も散り始める時期になって、カメムシの数が増した。毎日十匹前後は部屋の中に出現する。この部屋のいずれかに入り込み、そこで冬を越して、今ようやく温かくなったのを感じ本能的に動き出したのだろうが、外に出られず中でうろうろしているのは、どうも上等な生き物ではない気がする。本人にも私にも不都合。廊下にも沢山いるが、その大半は細い六本の肢を天に向けて、つまり仰向けで死んでいる。ようやくの春にどういう理由で死ぬのか、因果な虫だと思う。
そのカメムシに煩わせられながら、次はどの山にするか、仕事から戻ってきてから昨日はずっと考えていた。残雪期の山は他の時期にはない美しさだが、登山道が見えないからガスってくると道迷いし易いのは一昨年の朝日で経験した。晴れていても目標物がはっきりしないと地図を読むのも難しいと思ったのは去年吾妻でのこと。山に入って出られなくなり、うろうろすれば因果な虫に憐憫もできない。
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