豚汁
本番前にコースの試走をしている。どこか建物の事務所の中や小川の脇を通って階段を上っていくとそこがゴールらしかった。Nさんが豚汁のようなものを配っている。なんで早く俺にくれないのか、不満に思いながら受け取ると、その具の少なさも不満で、自分でよそいに行くも、鍋に残っている汁自体がもうほとんどない。それでも具を集めて椀に入れ、食べようとした時「あれ、スタートの時間は」と思い直す。もう10分しかないのだ。食べるなんてもってのほか、それよりなによりスタート地点まで戻るのが物理的に不可能でないかと思うが、周りにそういう気配はなくて、誰かがスタートはここで前年と逆になったのだと言う。半信半疑のままでいると、確かに人は集まってきてスタートの合図。最初からずっと下りの坂道だが、混んでいてゆっくり走るしかないのがもどかしい。前の方はすいていて、それなりの速さで走っている。折り返し地点までずっと下りで、昨年まではここがゴールだったのだが、下りでスピードを出したままゴールするのが危ないので逆にしたのかと、ひとり納得する。(豚汁とはいったが、濃い醤油味で薄切りの豚肉以外何も入っていない代物。父親が作るそれに似ている。)
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