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2010年6月10日 (木)

不忘

 マラソンの翌日でもあり二時間と少しで着く屏風岳までと決めていたのですが、後ろから来た年配のご夫婦は足も止めずに先に向かいました。時計はまだ10時過ぎ、どういう道なのかと見晴らせる場所まで歩くと、なだらかな尾根の先に残雪を模様にしたなだらかな山、あと一時間少しならその不忘まで行ってみようかと、ご夫婦に誘われるように先に進んだのです。けれども不忘だと見た山は南屏風という山でした。私たちを先導する形になったお二人はそこで引き返されたのですが、せっかくだからと先に歩を進めると、そこからは急坂、ガレ場の痩せ尾根。ところがどうでしょう、見事なお花畑でございました。レモン色のミヤマキンバイ、可憐な紫の宝石ユキワリコザクラ、純白の花束ハクサンイチゲが文字通り道の両脇を埋め尽くしておりました。
 後で思うと私たちの横に車を停めて、私たちの前を歩いたあのご夫婦がいなかったら不忘までは行かず、この見事な花も見ることができなかった。これは風邪でマラソンを棄権せざるを得なかったYへの神様みたいなものからの贈り物かも、と思いました。けれども彼女は出ないと決めた朝のバイキングでは出ないと決めた心と体で食べられる種類のすべてをギリギリまでお腹に入れて不出場の心の空白を埋めようと試みておりました。神様みたいなものはそれをご存知なかったか、それでは足りないと配慮したのかもしれません。(右は南屏風岳、不忘山はやや左寄りに見えるその奥の山でした。花はハクサンコザクラに似ていますがユキワリコザクラ)

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