林道歩きの目的
なぞるうちにむしろ曖昧になる。曖昧なものをなぞるからか。
冬の山にひとり入る。里山で危ないこともないのだが、ひとり前を行く人を見つけ安心もする。しかし、彼がいなくなるとラッセルが始まる。まだ午前も早いはずだから時間に余裕はあると自分に言い聞かせる。雪野原のなだらかなピークに立つと、遠くに人影、同じ山域なので心強く思う。しかし、なぜか動きが早く、どうも除雪された林道を歩くらしい。そう思って見るとこれから向かおうとする先のあちらこちらに人影があり、林道が並行してあるようだ。敢えて雪野原を歩くのは「いさってる」。そう思って林道に降りて歩き始めるとすれ違った年配の男がヤマガラがどうのこうのと言っている。ショートカットするつもりで道を逸れ斜面を歩き始めると塀があり、蹴とばすと?通り抜けられたが、その裏に鳥の巣があった。親鳥が逃げないのは雛がいるからで、雛ももう親鳥と同じ姿で、派手ではないが、きれいな模様の羽を持っている。僕はなるべく刺激しないように傍を通り、斜面をラッセルで漕ぐように降りていく。
雪野原の山を歩いて戻ってくる最初の目的は林道を見て潰えたが、なぜ林道を歩き始めたのか。なにか目的地があるように。それから、鳥はヤマガラではなかった。ヒヨドリくらいの。なぜヤマガラでないのか。文脈からヤマガラだろうに。
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