人が変わるだけ
日が長くなってきたと口々に言う頃が一番いい。長く暗く寒かった冬がようやく終わった安堵感と春の予感。同じ24時間でも、いつまでも明るいとなにか得をした気分にもなって、日が沈んで暗くなった5時6時より気持ちは明るい。この時期の野山もまた全く素敵な場所だ。雪はしまって、かんじきさえ履かずに自由に歩き回れるし、木の周りには穴ができて雪の深さを覗くのだ。茶色味を微かに増して芽を膨らませ始めた木々の間からは重なり合う尾根が見え山が見える。そう、マンサクが咲きイワウチワが薄紅の花弁を開き、麓ではアブラチャン、キクザキイチゲ、ナツボウズ。この時期の山なら僕は一週間に十日行ってもいいなあ。
百年経っても二百年後も、山は変わらずあるだろう。ただ人が変わるだけだ。今の登山ブームがたとえ廃れても全く屈託の人が折々稜線に姿を見せては消えていく。写真は一昨日のどっぱら清水の沢。他に道があることを知っていればこの景色は見なかった。それとネコノメソウ。この花にも種類が多いが、まあ総称して。
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