畔見殿
畔見くんよ。無二の親友である君にも随分無沙汰をしてすまないと思っている。僕なんかは確かにどんなに親しくとも遠い友達に自ら連絡をとるほどのエナジーと云うのを失って久しいのだ。僕は明日からまた山だ。山ばかりは呼んでいるから仕方ない。本当なら小説等を書くのに没頭しなければならないのに、呼ばれてのこのこ出て行くのは屈託の成せること。貴君がパチンコに行くように嬉々として行くわけでないのである。実川からオンベ松を登って大日岳に行く予定だが、おそらくコース変更は免れない。続いた雨でアシ沢の橋が流されているかも知れないのだ。だから、弥平四朗から疣岩を通って正々堂々飯豊本山に向かうつもりだ。来世があるなら二人で飯豊に行こう。貴君は高校で野球をやっていた時のような体力を維持しなさい。僕は浪人の時の志を持ち続ける。さっき早稲田の野球の応援歌が不図出てきて、そうしたら君を思い出した。あの浪人時代から確かに夢のように時間は過ぎた。
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