33犬
玄関の一点に目を向けて神経を集中している犬は、また逃亡の機会を狙っているのかと思ったが、対象は一匹の蜂だった。外に出ようと網戸にぶつかっている蜂に跳び付いて、前肢と口で攻撃を繰り返した。蜂はなんだろう、アシナガではないが、仰向けになり瀕死の重傷を負いながらも、尻の針を動かして抵抗を続けている。その姿がいかにも惨たらしく見える。この犬、犬種は豆柴、ホームセンタームサシから4年班前に購入したもので、全体黒いのでクマ、あるいはクマゴロウ、クマスケと呼ばれている。どういうわけか幼少から臆病であることは何度かここに書いたし、帰宅する私をいまだに吠えている点、相当の低能であることも論を待たないところだが、こうして自分より明らかに弱いものを容赦なく殺す点、その精神も俗悪である証拠、総合して偏差値33位だろう。残念である。今後も劇的体験でもしない限り、その精神に変革はないし、劇的体験なども考えづらいから、この犬はこの犬のまま生きて死んでいく。
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