タオルスキーとらく!
高い山ではないが、登山道のない、石の多い尾根をひとり歩いている。首に巻いていたタオルを登山靴の下に敷いて、石と石の間の砂地を滑り始めると、面白いように良く滑る。スキーと同じ感じで良く滑るしコントロールも利く。心配なのは洗濯しても落ちないくらいタオルが汚くなるのじゃないかということだが、興じてくるとそれも忘れて滑り続ける。前にボードに乗った若い男が滑っているが、同じ方向なので僕には気付かない。タオルで滑っている自分の方が器用だろうと、自分の存在を気付かせたくてスピードを上げるが、なかなか追いつかない。こんな山で人知れず練習をしている人間だから相当な腕前だ。山が登りになると止まるのがタオルスキーの難点で、細い尾根の石を縫うようにして大急ぎで登っていくと、前方からハイカーらしい人間が三々五々現れる。連休だとこんな場所にも人は来るのかと思いながらも、タオルスキーを披露して驚かしてやろうと思うから、更に急ぎ足になる。しかし登りの最後は石がごろごろとあって、それがどれも不安定。恐る恐る足を掛けた枕くらいの石が転げ落ちる。藪で下は見えないが、落ちていく音がするので慌てて「らく!らく!落石!」と叫ぶ。大きい声で叫ぶけれど、初めての山で石の落ちていく下の方がどうなっているか分からないので、少し真剣味が足りない。また山の事を知らないようなハイカーの中で「らく」と大声を上げ続けることに恥じらいも感じている。不安とそういう気持ちの中で目を覚ましたが、まだ大事故にならなければいいがと心配している。
タオルスキーはユニークだが、実際可能なのか。現実では考えてもみないことだが。前を行くボーダーや途中で会うハイカーたちにその姿を見せようとする感情は幼稚だが、もしタオルスキーをマスターしたら、やはり「いさる」かも。
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