教訓もなく成長もない
雨具からカメムシが沢山落ちたという話で思い出したのは、単なる雨具つながりで、これも以前書いたかもしれない話だが、中学の登山で雨具を持っていかず、前に出されたこと。中学二年か三年、上級生がいた覚えがないから三年の時かもしれない。全校で(といっても150人位だろうけど)光兎山に登る行事があって、雨具は必携だったのだが、どうせ降らないだろうと思う気持ちもあり、雨具を買ってほしいと言うのも億劫で、気にしながらも当日に迎えると、今にも降り出しそうな空模様。登山口で校長が雨具を持ってこなかった者は前に出ろと言い、正直に出ていった四五人のうちの一人であった。帰されたというわけでなく、予定通り登り始めたのたが、途中で雷雨となり、勇気ある撤退みたいなことを校長が言ったのをなんとなく覚えている。僕は当然ずぶぬれで、傘を貸そうとしてくれる級友もいたが、なぜか頑なに断った記憶が幽かにある。山に囲まれた地元の学校での義務教育9年間で、登山が行事としてあったのはこれ一回きり。その登山でなにかとても惨めな思いをして頂にも着けなかった。多分一言も喋らず登って下ったんだろうと。そして毎日見るこの光兎山に初めて登ったのは東京から戻った33歳の秋、文化の日。それも朝急に思い立って10時過ぎに家を出ている。日の短い時期、今にしてみれば無謀だが、あちこちの山に登ってきたという自負があってのことだったろう。多分あの時の少年の心で、今も成長はない。
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