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2011年11月29日 (火)

ベリーグッドのはずが

 腰痛を理由に走らないでいたら、なにか体がだるいような、午後受けた予防接種のせいだろうか。八時を過ぎたら眠くなって、早く寝て早く起きればいいのだけれど、大体は夜中に目覚めて眠れなくなる。それで登山の道具の整理を始めると、眠気も覚めてしまって、階下で鳴る柱時計の音を9時だと思ったら10時であった。窓際に掛けたスパッツをたたもうとするとぽろっとカメムシが落ちた。バサッと思い切り振ると四、五匹もパラパラと落ちる。もう片方も同様だった。こんなに小さい布切がそんなに冬籠りの条件に合ったのか。登山靴には一匹もいなかったのに。あるいは最初に入った一匹がここはいいぞベリーグッドだと合図を送って集めたのだろうか。廊下に落ちたカメムシはもそもそと動き出すものもあれば動かないものもいる。どうしたんだおい、みたいな感じで。それでも誰を恨む風でなく、運命を呪う風でなく、従容として全部受け入れる姿は美しい。それを塵取に集めて、11月の末の夜の屋根に私は放り出す。美しくない私が美しい生き物を放り出すのがこの世の仕組み。

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