Tの猫の来世
Tの猫は猫のくせにコタツの暖かさも知らずに死んでいった。生まれた時からやせっぽっちの病気がち、覇気なくヨロヨロ歩いていた。ダニと目やにをくっつけてみすぼらしげに歩いていた。だから今生で報われなかった分だけ、来世は好きに生きればいい。デヴィ夫人にでもなればいい。それでも貴君は完結していた。今度生まれてくる時はこんなに自分のことばかりで苦しまないように生まれてくる、と思わないだけましなのだ。だから来世も日向で終日ごろごろしているみすぼらしげな猫がいいのか。
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