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2012年9月18日 (火)

花はさかりに

 山の秋もまた早く、秋の花も終わろうとしていた。梅鉢草も松虫草も盛りを過ぎていた。秋の花の代表格、リンドウも枯れ始めている。オヤマリンドウは茎についたまま、花の形のまま枯れる。茶色、こ汚いような色で枯れる。頭頂部に束になって花をつけるので、そのひとつでも枯れていると被写体にはならない。でも、そう思ってカメラを下ろす度に思うのは、「花はさかりに」という枕草子の一文。「月はくまなきをのみ、見るものかは」。枯れた花もやはり花であり、季節の移ろいを映している。夏の名残り、散り遅れたタカネナデシコ、ハクサンフウロ、返り咲いたハクサンイチゲ。朝露に濡れ陽に晒されて色褪せながら短い秋に散っていく。
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雲の湧く稜線に」カテゴリの記事

コメント

 また、酒を飲む。三島由紀夫の演説を聞いた。あの土曜日、 前橋上泉町、タイヤが燃える煙を見て、その小学生は不吉な予感とともにヒラオカ キミタケは散った。父の本のなかの学習院時代のキミタケ少年と自分が似ていることに気がついて。初めての女は三島由紀子。大島S江ではない。貴君の文学的才能で、抽象を昇華したロゴスの妙を見せてくれ。確かに、貴君にそれはある。そして、また、酒を飲む。許せ、友よ!貴君しか
語れる人はいないのだ。

投稿: モナキング | 2013年2月 8日 (金) 23時16分

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