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2013年2月13日 (水)

カモシ柿

 カモシカを埋めに行く。齢七年三十キロのカモシカを雪原に挽いて、いつもの柿の木の下に埋めに行く。小学校の登下校の坂道の柿林は、もう半世紀近くも前のこと。その小学校も廃校になって何年だろう。ここに埋めるのを厭っていた母が倒れて七年目になる。担当だから仕方ないのだと言った、その担当になって何年だろう。雪を掘り、ようやく出てきた地面を掘る。掘り出された蛙、土まみれの殿様蛙が仰向けになったまま、人がするような背伸びの動作をして、私の生きることが全肯定されるなら、罪なく殺されることも肯定される。これは祖父が植えた柿の木、東京に居た頃毎年箱で送ってきて、私を悩ませた。あれからもまた三十年も経って、この柿の林は私に委ねられ、今年の冬こそは剪定をしようと思っていたのを思い出させた。轢死したカモシカを埋め、蛙も埋めようとすると、あまり深く埋めると春に出てくれなくなると言うので、30㎝位の所にその中くらいの殿様蛙を置いて土を掛けた。ここで実る柿の実をカモシ柿と言う。所望ならいくらとっても構いません。

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