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2013年7月30日 (火)

コッペパンを探す

 パン食になった父のために二日に一度はコンビニでジャム&マーガリンのコッペパンを探すのが習慣になった。それで、こんな夢を見た。
 コンビニでもないスーパーでもない、ちょっと広めの食料品でコッペパンを探している。パンはあるが、手に取るとジャム&マーガリンのコッペパンでなく、ただの菓子パンばかり。入口近くに段ボールに入ったパンを見つけたが、そこにもない。仕方なく、その中から選ぼうとしている時に、誰かが近付いてきて「お父さんは今日帰れないようだ」と告げる。帰る日だけ楽しみにしているはずなのに容態が悪いのかと、店の裏の土間のような暗い通路を歩いていって突きあたりの戸を開けると、広い部屋に大きなテーブルを囲んで沢山の老人が食事をしている。手前の二人目が父で、何か私に言おうとしている。手前の人に覆い被さるようにして父の口元に耳を寄せると「薬掛けしねばねえ」と言う。昨日施設に行く前も変なことを言っていたが、とうとう呆けたか思い、父の肩を抱いて私は泣く。そこで目が覚めた。目が覚めて、体は衰えても頭だけは達者であることをつくづく有難く思った。夢の中では母の状況に父が被さっていた。父はまだ施設には入っていない。でもいずれそういうことになれば、家に戻る日を母同様心待ちにするだろう。薬掛けというのは水稲に撒く薬のこと。一人が機械を担ぎ、そこから伸びる長いビニールのホースの先端をもう一人が持って、一枚の田を挟んで歩く。ホースには穴が空いていて、そこから粉末の薬が出てくる。父と母と、時には私も。

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