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2014年2月27日 (木)

カモシカ展望台

 昼食を終えて展望台の方へ出ていくと、そこにはスノーボードを脇に置いた三人の若者が休んでいた。どっちへ行くのかと聞かれ、天元台のスキー場の方に戻るのだと言うと、スキー場ならこっちでなくてそっちだと我々が今出てきた方を示した。おや、そうかと首を傾げつつ引き返した。風の当たらない場所を探して樹氷林の中に入っていったので方向感覚がずれたのかと思った。それでツェルトを張って昼食をとった場所に戻って、その先に足跡を探したが見つからない。やはり、彼らがいる樹木の無い広々とした場所以外になかろうとまた戻る。戻ってきた私らを怪訝な顔で見ていたろうが、それには構わずガスってあまり良くは見えない周囲に目を凝らすと、さっき確かに通ってきたような場所がある。若者らは同行者にこちらではないとまた言っているが、ここだと思う方向に歩いていくと、先の方に靡く蛍光テープが微かに見えた。私らがここに来るまで木に括りつけたものだ。
 もちろん若者らは親切心で言ってくれたのであるが、私らは頂上に広がる樹林帯を大きく巻いてここに至ったのである。スキー場の方向は彼らの言う通り樹氷原の向こうだが、その通りに進めば雪は深く、やがて道に迷ったであろう。彼らは別なルートでここに至ったので、私らの行こうとした方向が見当違いに思えたのだ。 
 アドバイスを聞くことはもちろん大事だが、こんなケースもある。要は常に慎重に行動することだ。昨年の5月連休、飯豊からの帰り、地蔵から大日杉に下りていく時に道を間違ったのは安易にトレースに従いていったからだ。トレースはトレースだったが、スキーのトレースで、えっと思うほど急斜面になった時には、そのトレースも引き返す足跡になった。 
 我々同好会のような仲間は、教えてくれる人がいないので、本やネットで勉強し、その折々の経験で学習しながら山登りを覚えるしかない。私もわずか十年の登山歴だけれど、危ない思いをする度に貴重な勉強をさせてもらった。山岳会なら簡単に行けるような場所も先達がないから不安が多い。殊に初めて登る山、コースはいくら勉強してもこの不安は拭えない。
 この二月の山行、蔵王、西吾妻では寒さという、貴重な勉強をさせてもらった。一歩間違えれば道に迷ったかもしれないという危機感も貴重な経験だった。そういえば何年か前、やはりこの吾妻連峰で、西吾妻から浄土平を往復した帰途残雪の中に道を失ったことがある。復路を来た時とは別にとったら、東大巓の尾根になかなか出られず不安の中の登高だった。
 山はそういう危険といつも隣り合わせの場所だと改めて思っている。小さな危険で学習して、大きな危険に対処するのが先達の無い我々のリスクマネージメントということになる。

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