猿の事情
前ノ岳からの最後の下り、登山道に花が折られて散っていた。幾本も幾片も。最初心無い登山客の仕業かと思ったが、折られているのがショウジョウバカマばかりで、沢山咲いているイワウチワは一片も無い。また、登りの時も散らされていたが、それより増えているとも言う。そのうち猿のやったことだと誰かが云い出した。悪戯でなく、ショウジョウバカマの茎か花弁かを食べているのだと。ようやく春にはなったが、たいして食べる物もなく、腹をすかして食べているのだと推測もする。すると猿らしき糞の、新しいのが道の真ん中に散見されて、踏みそうになったりしながら、猿の仕業に落着した。ショウジョウバカマでない、なにか別の新芽を食べて、まずいので吐き出したようなものもあった。そんな腹ペコの猿にザックの中に残してきたKさんのサンドイッチの一片でもやれば1mぐらい跳び上がって喜ぶだろう。ああそんな猿なら、きび団子なんかもらえれば喜んで家来になるなと納得したのである。
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