「怖いなんて下りてから言え」について
5月の山行記録が記録主任から届いた。連休3日間の三山、斑尾、鳥坂と多数枚である。白毛門は「地獄の恐怖」と表現していた。「地獄の恐怖をこの後三人は体験することになる」と書いていた。大袈裟なようだが、大袈裟でもないのかもしれない。「もっと踵に力を入れて」「もっと力いっぱいピッケルを突き刺して」と怒鳴るようにして僕は言い続けた。これも一因になっているかもしれない。下の見えない急斜面の下りで「怖いなあ」と怖気づく彼に対して「怖いなんて下りてから言え」と叱咤したのは綿野舞さんだ。不条理なことを言うなと僕は思ったが、この不条理な一言で歩を進めたのである。「怖いなんて下りてから言え」というのは「腹減ったなんて食ってから言え」と同じことだ。理屈もへったくれもない状況を本準さんはその口吻に感じたのだろう。でも、多分一番怖かったのはこの鬼のような一言だったと思う。
この日そんな不条理な言葉を聞くとは思わなかっただろう時の記録主任。
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