剱岳2/3: 安久昭男/阿賀北山岳会

2020山行

山に登ることは贖罪である。喘ぎの中で驕りをつくづくと知り戒めることができる冬の終わり　見上げる白嶺が切ないのはまだそこを歩く私がいるからだ

2019山行

要らないものだけ精いっぱい背負って私らは山に向かうつぶれそうな思いがそして膨らんでも行く場所はないことを知っているあれが水晶、あれが槍と指さすのは希望でなく、想い出だから、果たせなかった約束を忘れないうちは見晴らしの良い稜線を目指すのだ

2018山行

要らない荷物だけ入ったザックを負って山に向かうその重さが生きることだそして捨て処なく戻ってくるそれが登山だ慰めはモルゲンロート懺悔の色霧に映った自分の姿が忘れた未来を暗示する

2017山行

思い出したくないことが生きた証叫びと安逸と涙と屈託とヒメサユリは雨にうたれ風に揺れるニッコウキスゲ挫折と希望と頂の上に広がる青空が惰眠を誘いそして覚ますいつか

2016山

僕らが登れる山は限られているが限られた山でさえ一生掛かっても登りきれない陽と汗は永久に輝き果てない夢を抱かせる雪と風はその夢を砕くだからいつでも現実と夢の重さを担いで厭くことがない

2015山

山座同定は希望と軌跡登った山と登る山が今を支えているずっと生きられるなら登る意味もないがいのちのかぎりを確かめに行く

2014山

凍える指がなぞった言葉滴る汗に濡れた岩の雲に抱かれ風に洗われて刹那の命が永劫に晒されてある場所

2013山

時折、あるいはいつも考える。今何処を歩いていて、頂までどれくらいなのか。麓にはいつ着くのか。もう歩かなくて良い場所から。

2011山

　山に登ることの意味は、山に登らなければならない人しか知らない。　せめてその汗に見合う風を送れ　稜線にある一時

2010山

　ひとつひとつの山行が宝物になると言う。過ぎていく時間を愛しむ気持ちが大切な思い出を作る。

2011花

雪の残る山に入ってマンサクを見れば春はくるらし、と思う。その年初めてのハクサンコザクラを見つければ、確かに今年も夏が来て、と思うのである。季節と場所を限って咲く花を見ることは生きている証、過ぎていく時間の証。悔いと諦めとわずかな希望の証。

2009花

　花期の限られる花は時間の移ろいを花の色に秘めている。戻らない明日と不確かな昨日が今日を限りに咲く花弁の影に見える。　今年見る花、いくつになるか。

2009山

苦しいだけのようでいて、なぜ登るのか。それを確かめに、また山に行く。(カモ・シレーヌ　仏/作家)

2008山

今年は何度山に行けるか、同行者の無事と楽しい登山を願うばかりだが。2004/8/3飯豊、大嵓尾根から北股方面を望む

2017年8月22日 (火)

剱岳2/3

潮も叶いぬ今は漕ぎ出でな、というところか。この日のために買っておいたヘルメットを被って出立する。

剣山荘の裏から本格的な登りとなる。

一服剱まで来ると眼前に剱が聳える。

前剱。ここからが剣の本番。

ついにカニのたてばい、まで来た。

そして念願の剱山頂！

下山開始。いきなり迫る最難関、カニのよこばい。

続けざまに難関の連続

無事下山して剣山荘で感謝の一杯！

テントに戻り、登った剱を見ながらの食事。

そして剱に登った日は暮れていきます。