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2020年3月31日 (火)

残雪の葡萄鼻

 未曾有の少雪で、「残雪に咲くマンサク」は29日では遅すぎた感があった。もともとは湯蔵山を計画していたが、雪が少なければ藪漕ぎになる。朴坂山も高坪も今や一片の雪も見えないのだから。遠目で見てまだ雪の残っている牟礼山にしようかと見に行ったが、去年の12月同様、道路にバリケードがあって、まだ車を通していない。それもバリケードの数を増やしていた。私らのような者がいるから増やしたのだろうが、教育委員会の行事だからこれを無視はできない。あとは光兎山、15日は下見のつもりで登ったわけでなかったが、2週間も経てば雪もだいぶ消えて、雷峰直下のトラバースだけロープを張れば大丈夫だろう、きっとマンサクも咲いていると、光兎山に決めたところにまた雪が降った。少し遠いが五頭、二王子なら危ない所はないがと思案しながら、ぐるっと周囲の山々を見回して飯豊、朝日以外でまだ白い所があるのは葡萄鼻だけ。それで急遽26日の午前中綿野舞さんに同行願って下見に行った。午後1時半から会議あるので急ぎ足の下見。ただ天気だけは保証されていた。
 数える位しか登ったことが無い山は行った時の事を良く覚えている。最初はひとり、立烏帽子から藪を漕ぎ藪を潜って木立の中の頂上に着いた。見晴しは悪いとは聞いていたが、悪いのでなく無い。また道は無いとも聞かなかった。行ってきたと言うと「道無かったろう」と横山さんは初めて言うのだ。二度目はその横山さんの案内で立烏帽子を通らない積雪期のルート、三度目は綿野舞さんとスキー、ボードを担いで登った。雪のある時期二回とも山スキーをする高橋賢吉さんに会った。同級ではあるが山の大先輩であり、この山を冬の遊び場にしていた。その高橋さんも横山さんも故人となった。そして四度目が今回の下見である。
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マンサクも確かに咲いていた。
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後ろに朳差岳
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浮世と同様天気もままならない。朝のうちに上がるはずの雨が残ってポツポツと降る中での集合、歩き始めれば小雪さえちらつく様子、着込めば暑い脱げば寒いで登り始めて3時間、なんとか無事に積雪期しか眺望の無い山、葡萄鼻に着いた。
《どうだ!この日のために気合の坊主頭、降りかかる雪は情熱で溶かすぜ!》
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まだまだ帽子は要らないぜ!遅い奴はストックでつっこすぞ!ありゃりゃ、いつの間にやらおいらがビリだ!
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尾根の急登り、落ち葉の上の新雪はいたずらに滑る。
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ここら辺からマンサクの花。
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標高が上がり寒さが増した。坊主頭にゃへっちゃらだが、耳が冷たい帽子を被る!
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「どうしてあんなに手を振るのだろ」佐野元春を思い出すぜ!
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頂上で昼食。帽子はいいぜ、ダウンもいいぜ。なぜかおいらは背を向ける!
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下山前に集合写真。おいらはどこだどこにいる。いつの間にやら真ん中だ!
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あとはひたすら下るのみ。
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どけどけどけ!とろとろ歩くやつは追い抜くぞ!
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ふう、まあまあいい山でした。
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