月旦せず

2019年9月23日 (月)

狐も来る犬小屋

Img_2291
   ご存じのように犬小屋は写真のように車庫の一端にあって、シャッターさえ開けておけば、年中外に出られ、犬に必要な情報も得られる。風雨の強い夜だけ閉めることにしているが、この車庫にしょっちゅう猫が出入りし、夜バドミントンの壁打ちを始めると、慌てて逃げていくから、ねぐらにもしているようだ。それで、犬の繋いだロープを長くした。犬の運動範囲を知っている猫が犬小屋から一番離れた場所を通って出入りしているのかと思ったからだが、入口の端まで届いて猫の侵入を防げるように長くしたのに、やはり猫はいる。もしかして目が悪いせいかもかもしれない。犬の目が白くなっているから白内障だろうと、盆に帰った妹が言っていた。昔から私に吠えるのは元々目も勘も良くはないのだろうと思っていたが、白内障なら猫の機敏さには及ばないだろうから、この犬に車庫の門番は無理だ。一昨日の夜もあんまり吠えるから猫が車庫内にいるのだろうと明かりを点けて探すと、隅に隠れて顔をこちらに向けているのは狐だった。先般、忍び足で近づいて子猫を上から捕まえたら指を噛まれ、こちらは本気でなくても相手は必死になるということが良く分かったので、ここは深追いせず、片方のシャッターも開放して逃げ易くして家に戻った。犬もそのうち吠えるのを止めた。場違いと分かった狐はそそくさと逃げたのだろう。Tは私が買ってくる犬の餌を、常に皿に山盛りにしている。それを狙って猫が来て、カラスが来て、狐まで来るのかもしれない。寛容であることは人を集める見本みたいなものだ。その逆が私かもしれない。

| | コメント (0)

2018年9月 9日 (日)

悪くないバッジ

 奥黒部では良いバッジが多かったので紹介する。
祖父岳--どこから見た山容なのかわからないが、白い雲を大胆に入れた構図が秀逸。小さめなのと周りの縁もシンプルなのも良い。
P8140673_2
河童。リアル?な河童の顔、身体が良い。「黒部源流」はここにわざわざ場所を作らず、魚の背中でも良かったかも。
P8140684
イワナ一匹で勝負したポリシー。鱗の模様などもリアルさとデザイン性がマッチしている。
P8140677
逆に盛り沢山で良い(沢と山が黒部五郎)。絵がリアルでありながら牧歌的なのも良い。形も良い。
P8140688
イワカガミが良くできている。チングルマも良いし、イワナが跳ねた時の水しぶきも良い。また黒部五郎の山容に妥協がない。
P8140676
最後に水晶。小屋をシンプルに赤い線で前に入れたところ。水晶を大胆に入れたところ。その水晶に似せて水晶岳をデフォルメしたところ。
P8140686















| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年5月24日 (火)

池田商店の池田さん

  マラソンのキロ表示に出掛けると池田商店の前に店主の池田さんがいた。ここで軽トラを降りたくはなかったけれど、橋の袂を右折して池田商店の前を通るのがコースなので、右折の表示を立てなければならない。通る人、通る車をしげしげと眺める習慣を持つ池田さんだから傍で軽トラを停めた私を見ないわけはない。挨拶しながら近づくと草刈り機のエンジンが掛からないから掛けてくれと言う。それで場所を替わって紐を力いっぱい引っぱったが掛かる気配はない。チョークを上げたり下げたり油を見たり送ったりしながら繰り返し引っぱってもダメで、池田さんがもう駄目だから機械屋に持っていくと言うまでは引っぱるしかないと思っていたら掛かった。それでまた場所を替わって、急いで表示板を池田商店の横の電柱に縛り付ける作業に取りかかった。ここを立ち去るまではエンジンが止まらないことを願いながら。しかし願いは虚しく、プ、プ、プ、プーと止まる音がした。仕方なくまた引っぱり始めたが、今度はそう何度も引っぱらなくても掛かって、池田さんが草刈り機を肩に下げて大石川の堤防を下りる姿を見ながら速やかに軽トラを発信させた。
 年七回、三年間の健康登山で最後は杁差を目指した企画に参加してくれた池田さんも近年はめっきり老いた。大石山の手前でばてて、ザックをよこせと言ってもなかなかうんと言わないので強引に奪い取って中味を見ると、ワンカップが五六本も入っていて、それを僕のザックに入れ替えると、先に飲まれては登った甲斐もないと思ったのか、それからは遅れずについてきた。下山の時の転倒も忘れられない。今はすり足であるくような状態だが、それでも草刈り機を担ぐのだから、その気概は変わらないようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年11月27日 (金)

2015昼バドランキング

2015昼バド(BLBC)のランキングを発表します。対象とした期間は2014年と12月から2015年の11月27日の一年間です。自分の写真写りに満足しないように、人は正当な自己評価ができませんので、色恋に覚め、酸いも甘いも噛み分けた部長が、部員の戦いぶりをつぶさに見て点数をつけました。これを励みにしてまた一年がんばりましょう。なお、ランキングがお土産などを選び時の優先順位です。このランキングは2016年の11月まで効力があります。

R

氏名

①実力

②参加率

③笑率

④情熱

⑤通算負傷回数×

5

⑥もうすぐ

7

0

ポイント

合計

1

KINN

65

90

95

75

0

20

345

2

KIYO-

CHIN

95

90

45

95

10

0

335

3

HATTUN

65

95

75

75

5

0

315

4

ANQ

80

95

50

85

0

0

310

5

KUMI2

65

90

75

70

0

0

295

6

TIIKO

55

70

95

50

0

20

290

7

YOU

SUKE

80

65

55

50

0

0

250

8

SUGAI

70

25

60

35

0

0

190

9

RYU-

KATOU

75

5

60

25

0

0

165

10

SATOU

45

25

55

35

0

0

160

11

KOBUTA

CHAN

FROM 

GUNMA

50

25

60

5

0

0

140

12

算盤少年

60

5

55

10

0

0

130

13

渡辺青年

45

5

30

10

0

0

90

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年8月29日 (土)

歩く向き

 工場が潰れた後もМさんは毎日土手を歩いている。同じ時間に同じ鞄を肩に掛けて、背筋をピンと伸ばして、きちっと前を向いて、ゆっくりしっかり歩いている。だから人に聞くまでМさんの工場が倒産したことは知らなかった。でも、そういえばと思ったのは、時々反対方向に歩いていることだ。会社があるのとは逆方向にあるいていることがある。Мさんは多分、工場が無くなったことを忘れて土手を歩くのではなくて、歩くのも仕事だと思って歩くのだう。歩いた後の仕事はどういうわけか無くなったけれど、歩く仕事は残っているので歩くのだ。風向きによって歩く向きを変えても良いようになったのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年2月 3日 (火)

T坂さんの深謀遠慮(ころころ大作戦)

 T坂さんはいくら食べても太らない、スタイルが変わらないとYは言って羨ましがるけれど、この話は眉唾ものだといつも感じる。この裏にはボーとしてチョコばかり試食しているYには見抜けないT坂さんの深い謀り事があると憶測できる。人前ではばくばく好き放題に食べているけれども、それ以外は節制していると思われる。ばくばく食べても全然スタイルが変わらないと思わせて、周りにダイエットの意欲を失くさせるのである。もし節制してスタイルを維持していると分かれば、周りも倣って節制するけれども、そうは見せないで陰で節制する。これはT坂さんがこの世界が相対、比較で成立しているのを直感的に知っているからだろう。自分が無理をして痩せなくても、周りがころころ太ってくれれば同じ結果だと分かっているのである。僕の推測ではその結果、T坂さんの周りにはころころの人が増え、彼女は実際以上にほっそり見えるのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月 5日 (土)

長峰か剣か

 JUNNさんのことはKINNさん預かりということでしたが(純金で語呂が良いので)、守門でのように大変厳しい態度で接する様を見ますと、私も些か同情的になります。けれどももし私がJUNNさんの奥様ならば「登る山を選んでこそ登山なのよ」と言うでしょう。「白馬三山とか剣とか百年早いということよ」。「あなたの考えなら皆がエベレストに登ります」。奥様のご意見、ごもっともです。友人であれば、守門の山行中、綿野舞さんが口を酸っぱくしておっしゃったことに尽きます。とにかく日頃のトレーニングに精進すること。これもまたもっともなことだと拝聴しておりました。確かに曲がりなりにも会としての山行となれば、最も体力のない参加者に合わせて行動するのが原則です。それを前提にした日程を組んでも、更に行程が遅れれば、山小屋に着くために暗い中を、しかも疲労困憊の状態で行動しなければならないという事態にもなりかねません。つまり、全体が危険に晒される。その他、良くないケースは様々考えられるわけです。それで、私は人生の後輩として、憚るところは憚って申し上げれば、今のところJUNNさん、赤点ギリギリです。やはり、鍛練は必要かと存じます。赤点を取るとチーム中村になって、行ける山とて上関は長峰山、荒川台はテレビ塔とかです。玲さんの尽きせぬ世間話を聞きながら関川村を眺めるわけですね。玲さんは山に来ると普段の生活から離れられて良いと云いながらのべつ幕無しに喋るのは世間話です。寡黙になるのは疲れた時だけです。JUNNさんの守門は65点でした。あと少しで玲さんが待っています。がんばって登頂したのはさすがでしたが、預かり所に見捨てられたのが致命的です。体重のせいかバランス感覚も今一ですので、ズンバのような踊りを始められるのもよろしいかと存じます。お城山のJUNNちゃんは石垣の上でズンバを踊る、そう言われるようになれば、剣の頂も遠くはないでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年3月18日 (火)

勲章について

 我々が榛名湖畔でユメサユリに比喩されたりアイゼンを履いたまま生理的要件に迫られたりしていた頃、Yは那須のビアガーデンにいたようだ。ビアガーデンを経由して鹿沼に行き、翌朝古峰神社で集落のお札を賜るという特命を帯びた代表四人の一人だった。一行はビアガーデンの後、東部ワールドスクウェアという世界の著名な建築物のミニチュアが沢山ある観光地に足を運んだという。ところがその一行のうちの某氏が自分は足が悪いので車に残るような弱気な発言をしたのだそうだ。この某氏というのは長年新堀用水の世話人をなさった方で、春の江浚いの折など、13の隧道を潜って各組それぞれの仕事ぶりを見て回り、私らの組の作業現場に至れば必ず私の祖父の話などして一時間は私らを休ませるのが習わしであった。お蔭で私らが仕事を終えて帰途に着くのはどの組よりも遅くなった。その某氏も齢八十前後、近年急に足腰が弱っていたらしい。そこで同行者の親分役の照井某(私の小中学校の同級生)が車椅子を見つけて彼を乗せて園内を見学させた。車椅子に乗せられた某氏、実は18回も海外旅行の経験者で、その際見てきたアンコールワットとか凱旋門だとかバチカン市国のなんとかとかのミニチュアを見るにつけ段々と懐かしさで気分が盛り上がって元気が出てきたのか、自分で車椅子を杖代わりに押して歩きだし、さらに調子が良くなってきたあげくに車椅子をどこかに忘れてくる始末だったとか。新堀用水と海外旅行は某氏の勲章に違いない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年2月28日 (金)

ホッカイロ

おっちょこちょいで天然となると人のやれないことをやるようだ。一足のスノーシューを二枚重ねて履いて、片方が無いと大声を出すとか、講習に参加しに来た人を講師と間違えて、事務所に招き入れ懇ろに挨拶申し上げるとか、かなり意外なことをあっさりと行う。いずれは鳥海と蔵王を間違って登り、お釜を鳥海湖だと見て進めば、熊野神社が大物忌神社となるから、その先に高い山が無いのに驚いて「新山が吹っ飛んだ」と大騒ぎするようなことがないと言い切る自信が僕にはない。そんなIKさんに笑われたのはHJさんだ。先日の西吾妻でのこと、-10℃を下回る寒さの中で食事をしている時に「手袋をした方がいいですよ」と言うと「これがあるから大丈夫です」と使い捨てカイロを盛んに揉んでは手に当てる。「先生それはビニールの袋から出さないと温かくならないですよ」とIKさんに言われて「ああそうなの」と納得したようだけれど、そういえば前回の蔵王でも僕がカイロを渡そうとすると自分で持ってきたから要らないと言っていた。つまりあの時のカイロはカイロの役目を果たさないまま蔵王を降りたようだ。
 こんなお二方と同行して無事帰られたことを思うと、あのカモシカ展望台の寒さが蘇るようである。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2014年2月26日 (水)

見習いの三乗

 周知のとおりわが会の会員資格はその基準が厳しく、そのため容易に会員は増えない。資格とはつまり深田が百名山を選定した時の基準をそのひととなりにあてはめて準拠する。すなわち、個性・歴史・品格を備えた者。既に重鎮の振る舞いをしているIK会員なども「見習い(見習いの見習いの見習い)から始めた経緯がある。いずれの山行にも前会長や名誉会長の佐藤貞治先生が厳しい目で氏の立ち振る舞い、一挙手一投足を詳らかに審査した。そして、見習い、ただの見習い、と順調に昇格してめでたく会員になったわけだれども、口だけ「一人前」になって両お偉方も痛く辟易したというのが内実だ。つまり個性だけは資格を十二分に満たしているようなので会員としたようだ。この経緯は先日のIKさんが前会長の夢を見た話を聞いて思い出した。最近は元気な母ちゃんがいっぱいいて困ったもんだと前会長はよく言っていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧