苦しいだけのようでいて、なぜ登るのか。それを確かめに、また山に行く。(カモ・シレーヌ 仏/作家)
発破でも掛けたように粉々になった倒木を見た後、この足跡。その後寄った谷地平の避難小屋の周りにも無数の足跡があり、小屋の中の胡麻油の瓶も齧られていた。今までしたことはなかったが、ラジオを出し、ボリュームを最大にして歩いた。稜線に出てからもしばらく聞いていたら、人の多い登山道でラジオをつけている人の気持ちが少し分かった気がした。