苦しいだけのようでいて、なぜ登るのか。それを確かめに、また山に行く。(カモ・シレーヌ 仏/作家)
昨年同様風雨の中梅花皮(かいらぎ)小屋を出発、扇ノ地紙から梶川尾根に降り始めると、昨日登ってきた石転び沢雪渓の上部が見えた。右が北股岳、左が梅花皮岳、その鞍部に続くのが石転びの雪渓。上の方の斜面は遠目でも急に見えて「よくあんな所を登ってきた」というのが三人の共通の感想だったが、この時はまだそこを下ることになるとは夢にも思っていなかった。この後、下りの急斜面、ガスった雪渓で道を失い、門内小屋まで引き返す道のりは長かった。詳しくは「KAZUの山旅」参照